- 2010-07-30 (金) 7:54
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はやぶさ目当てに友人達と参加。事前にはやぶさのTwitterで金曜日の状況は流れていたので、ペットボトル二本、帽子、うちわ、薄い長袖、日焼け止め、と準夏コミケ装備級で用意しておく。他の人を見ると、ペットボトルを凍らせたり、冷却装備を追加する人もいたようだ。流石ベテラン勢(何が)
9時すぎに現地の駅について、無料バスが9:30からだったので10分程歩いて現地に到着。すると、列がずらり。どうやら片方がはやぶさの列らしいので辿っていく…敷地を横断して角までいってもまだ続く。結局最後尾札を見付けて並んだ時には、「4時間くらい覚悟すればいいかな」程度の位置だった。
どの位かというと、敷地を曲って角までいってから敷地の一片を横断、門から出て壁の逆側をまた横断、そこから道路を渡ってさらに2/3の距離程横断、かと思いきや途中で別な敷地に折れて木々の中の散策道をぐるりと一周大回りでひきまわされてから、やっと現地の博物館敷地に到着。そこから更に3折り半位広場内でうねってから、やっと施設内へ。一端中に入ったら後はわずかなもので、無事にご対面というところ。丁度12時頃だったので、トータルで2.5〜3時間位。
途中でペットボトルの販売や、露店も出ていたが、流石に氷物系は瞬殺されたいたようだ。ついでに、上映会などの系列のイベントもほぼ瞬殺。便乗商品として、イトカワ揚げパンやはやぶさ煎餅(大・小)などがあった。買い出しにいったのを見てみたが、しっかりと曲りかたがイトカワ。そして、その場で揚げたて…この暑さなのに。
歩いて周囲をまわって見るだけなので、はやぶさの残したものとのの対面はわずか数分程度。展示物は、ウーメラに降りたパラシュートと、そのカプセルのインスツルメントモジュール、搭載電子機器部、前面ヒートシールド、背面ヒートシールド。そして、比較用に再突入カプセルのエンジニアリングモデル。ヒートシールドなどの下には鏡が置かれており、内面も見られるようになっていた。
パラシュートは目が荒く、40km/secでの硬着陸用というのもうなづける。対衝撃用に電子機器は樹脂で固めてあるそうだが、そこはよくわからなかった。背面ヒートシールドは事前の情報通りに網の目のように金色の部材が焼け残っている。そして、蒸発により大気圏の圧縮による加熱に耐えて硬着陸にも耐えた前面ヒートシールドは、南部鉄器のように複雑かつ微細な模様が色々と見てとれる黒い肌だった。実際に使われたとはとても思えない綺麗さ。背面ヒートシールド他が色々きっちり残っていることからして、所定の性能を十二分に発揮した理想的な帰還だったのだとわかる。
思うに、今回のはやぶさの残したものの展示は「月の石」と同じようなものだと思う。それ単体ではコンテキストを知らないとよくわからないし、学術的な価値に至っては専門家にまかせるしかない。だけれども、見る人にはコンテキストは共有されているし、だからこそこのパラシュートが、部品が、何げない鍋釜のような塊が、60億キロという比較しての想像ができない旅路を終えて、今ここにあるという感慨を引き起すことができる。そして、海外では違う所もあるようだが、少なくともここにあるのははやぶさの残したものであって、はやぶさそのものではない。そういう共感が存在する。それを味わいに長時間並び、そして見たのだ。
なお、はやぶさの模型とイトカワの模型が展示室近くにあったのだが、凄い人混みだった。そこから少し離れた所に今Twitterで話題のイカロスとアカツキの模型もあったが、そちらはがらんとしたもの。この落差が少々悲しい。イカロス君(@ikaroskun)の無茶ぶりとか楽しいのに…。
はやぶさの残したものを見た後は、研究所に戻って食堂でお昼。カツカレーを頼んだはいいものの、人手が凄いので場所がなく、結局外で丁度空いたところでテーブルを確保し食べた。その後は、5つある会場の各所の公開品を見学。
中継で同じみのはやぶさの模型展示。展示についている人がつぶやきに反応してくれる位に熱心に解説されているので、はやぶさのイオンエンジンだけ側は放熱のために銀色だとか、太陽電池の裏が配線になっているとか色々と教えてもらえた。
最後のはやぶさ通信途絶の時に使われたホワイトボード。意味はわからないが、実際の運用で使われたラフさと丁寧さがある。
はやぶさカプセルの位置を電波探査した探査局の一つ。この横で実際に動かして電探してみようというのをやっていた。そして、何故か近くに落ちている宇宙イモの札。
イカロスの展開前の姿と、実際に展開された1/4の帆。展開前の方の近くでは、イカロスに搭載した電子機器や、フィルム(ぺらぺら)、太陽電池などの展示も行われていた。
最初に外に並んでいる時に冷気が流れてきて有り難かった電波暗室。奥にあるのは先程もあったカプセルの電波探査局。アップルで噂の電波を吸収するトゲトゲ壁もある。実際のものには薬品が使われているらしく触るなとあったが、手前に触れるモデルがあり、触るとスポンジのようにふにゃっとして、強くすると多分ボロボロと崩れそうな脆さを感じた。
イプシロンロケット系の講演を途中から聞く。外に展示してあるM-V[1] の二段目は地上燃焼試験に使われた実機で、試験用にノズルを切った後がくっきりと色でわかるようになっているのだが、その試験の様子やビデオ等。質疑応答によると、M-Vの燃料の材料比はおおざっぱに言えるが、12%のバインダーが曲者で、色々作ってみたけれどもいちばん 難しいものとの事。二段目の燃料は33tほどだが、普段は1t未満でだいたい0.5t位のものを手書けているようだ。ちなみに、イプシロンのワンポイントとなっている赤い輪が、M-Vの系譜であるせめてものデザイン上の抵抗とのこと(笑)
そして、M-Vの各段の分離で使われている手法についての解説。一段目については強度が必要なので、火薬でアルミ板を焼き切る。上の方になればなるほど振動が大敵になるのと、強度上の要件が比較して少なくなるのでまた別の方法にする、という具合に使いわけているらしい。ただ、イプシロンロケットでどの段でどうするかはまだ未定、との事。
夕食は適当に調べた串焼き/串揚げの店。なかなか当たりの店だったようで、いずれも美味しかった。写真は串揚げの一部と、フォアグラの串焼き。暑いのでビールが実に良かった。
関連記事:
- M-Vはミューファイブ、と公式にはあるがどの方も大体「えむご」と発音していた。 [↩]